
こんばんは。
YAMA@CAMP a.k.a.稲川ジュンGです。
みなさんはソロキャンプに行かれたことはありますか?
キャンプ場というのは、だいたい街から離れた山奥や人気(ひとけ)のない場所にあるものです。
夜には暗闇に包まれるキャンプ場で一人で過ごす・・・。
そこで常識では考えられない現象を目の当たりにすることになったとしたら・・・。
アンビリバボー。
よくよく考えるとソロキャンプって怖いことです。
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11月のとある金曜日。
所用あって休暇をとり、午後からはフリーの予定だったのでソロキャンプへ行ってきた。
場所は、広島市の北、安芸高田市にある土師ダムキャンプ場。
せっかく時間もたっぷりあるので、行ったことのないキャンプ場へ行こうといろいろ考えたすえ決めた場所なのだが、実はこのキャンプ場は2、3年前に友達のある話を聞いてからは避けていた場所だった。
その話というのは、友達がこのキャンプ場でファミリーキャンプをしていた際のこと。
真夜中寝ていると誰かがテントにスーっと手で触れたので、すぐに外を確認するも誰も人がいなかった、というのだ。

その話を聞いて以降、
ダム = オバケ = 怖い
という勝手なイメージを持ち、比較的近いキャンプ場であるものの敬遠していた。
ヨメも友達のその話を知っているためファミリーキャンプへ行く際も候補地にあがったことはない。
今回キャンプ場選びに迷っていたこともあり、いったい土師ダムキャンプ場とはどのような場所なのかを確認すべく、とりあえず一度ソロで行ってみることにした。
初めての土師ダムキャンプ場へ到着。
高規格キャンプ場によくあるカード式の入場ゲートが入口に備わっている。
誰でも入れるわけではないので、こういうのは安心感がある。

川に面した横長のキャンプ場。



大きな広場あり車の横付けも可能。


林間にはデッキサイト(乗り入れが不可能)と

やや手狭な林間サイトなどもありバラエティーに富んだキャンプ場のようだ。

平日で人も少ないこともあって、どこにテントを張ろうかと迷ってしまう。
ただ、金曜日の午後2時といってもやっぱり数組のキャンパーさんたちがいて、なんとなくよさそうな場所は押さえられており、トイレや炊事場から遠いものの静かに過ごせそうな川沿いにテントを張ることにした。
広場にも林間サイトにもテントが張れ、川も流れていて、思った以上にいいキャンプ場という印象。
テントを張り終えて焚き火開始。
すぐそばには残念ながら直火のあとがあり、アルミホイルが混ざっていたのでバ〇ヤローが焼き芋でもしたのだろう。

この日は比較的暖かく、紅葉した山を眺めながらのんびりと過ごせた。
一番近いキャンパーさんからも50メートル近く離れており、視界にも入らないので気分は完ソロだ。
やがて日が暮れ始めたころ、友達からLINEで連絡があった。
「テントのまわりに結界を・・・・」
どうも怖がらせようとしているようだ。
フンッ!と鼻で笑った。
全然怖くないが、とりあえず周囲がよく見えるようにバタフライランタンとLEDランタンでサイトを明るめに照らしておくことにした。

あまり暗いと「何か」が近づいてきた時にすでに1メートルの距離にいる、というのでは対応のしようがない。
とりあえずこれだけ明るければ、近づいてくる「何か」に5メートルくらいは距離をおいて気付くことができ、とっさに「コンバンハ」と挨拶くらいはできるだろう。
全然怖くはないが、ベストではなくワーストな状況を常に念頭に置いておく、というのはサバイバルの鉄則だ。(知らんけど)
夕食のためのキムチ鍋を調理する。
グツグツと煮立った鍋はこの時期本当においしい。
うまいうまいと食べながら、新月の星空を見上げる。

そして次の瞬間、不思議な現象が現れた・・・。
こちらの写真をご覧いただこう。

画面中央にご注目。
お気付きになっただろうか。
よく冷えたビール(正確にはクリアアサヒ)を手に持っている・・・。
寒い夜なのに、なぜボクはビールを飲んでいるのだろう。
基本的にビールはノドの乾く夏しか飲まないのに、だ。
「寒いけど、やっぱり鍋にはビールかな」
とクーラーボックスに入れた記憶がない。
「何か」の見えない力が働いているとしか思えない。
背筋が凍るのはビールがキンキンに冷えていたからではないはずだ。
さらに奇妙な現象は続く。
こちらの写真をご覧いただきたい。

スローでもう一度。
右隅にご注目いただきたい。

お気付きになっただろうか。
なんと、先ほど温めたはずのキムチ鍋から湯気が出ていない。
いつの間にこれほど冷めたのだろうか。
星を見上げている間に「何か」が近づいて、フーフーしたとしか思えない。
自分以外の「何か」が間違いなく近くにいる。
そう感じ初めていたまさにその時、静寂を切り裂くように遠くの山から突然、
「キャーーーーー!!!!!」
と言う女性の声がした。

決してオス鹿が縄張り争いの時に出すという鳴き声ではなかった。
女性を助ける勇気がでないまま、
「できれば聞き間違いであって欲しい」
と願いながら、
「いや、聞かなかったことにしよう」
と焚き火をいじった。
この日は比較的暖かい夜ではあったが、さすがに立て続けに起こる怪現象にサムくなったので、9時前にテントに入ることにした。

寝袋に寝ころんで、Amazonプライムビデオでダウンロードしてきた映画を見ながらオーザックをほおばるという、家では見せてはいけないオヤジの堕落した姿がそこにあった。
ちなみにダウンロードしてきた映画三本のうち二本がホラー映画であるというバッドチョイス。
この状況下、ホラー映画を見るのは寒いところで寒くなるに等しい。
南極に扇風機を持って来たようなものだ。
仕方なく、第三希望で押さえておいたカンフー映画を見ながら寝落ちした。

翌朝。

霧に包まれたキャンプ場。
土曜日の朝ともなると、受付開始の9時を境に続々とキャンパーさんたちが入場してきた。
我がテントを張った場所も、撤収するやいなや次のキャンパーさんが陣取った。
「そこは怪現象がおきましたよ。テントの周りに結界を・・・」
思わず口から言葉が出かかって、グッと我慢した。
そういう話をしたところで、一体誰が信じるだろう。
昨日の自分がそうであったように、
フンッ!と鼻で笑われるのがオチだ。
個人的思い込み的な怪現象をのぞけば思いのほかいいキャンプ場だった。
それだけに週末は岩倉ファームパーク同様に混み合いそう。
土師ダムファミリーキャンプ場。
ファミリーキャンプ場という名称ではあるが、ソロにもうってつけのようだったので、またひとつキャンプ場を開拓できたと喜びながら土師ダムをあとにした。
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