
しかし、世の中色々なキャンプ用品があるんですね。
正確にはキャンプ用品ではないけれど、キャンプに使えるものってたくさんある。
さて、本日ご紹介しますのはカイロです。
カイロと言っても使い捨てではない、こちらのハクキンカイロ。

先日、我が家の冬キャンプ推進のきっかけとなった知人宅で初めて知ったカイロです。
「これいいっすよ」とすすめられ、思わず買ってしまいました。
販売元のハクキンカイロ株式会社さんは、なんと創業1923年(大正12年)!!!
どんな歴史のあるカイロなのかホームページをのぞくと・・・、
戦前まではカイロ一本で販路を拡大し、戦時中は「軍御用達」の軍隊用の特需品の生産に回ったこともあったらしく。
朝鮮戦争でも戦線の米兵に使用され「カメラとハクキンカイロは戦線の花」と称えられ、また、南極観測隊がハクキンカイロを使用したり、東京オリンピックの聖火をギリシャから東京まで輸送したりもしたとのこと。
非常に歴史のあるカイロですね。
発熱のしくみ
一般的なカイロは袋の中の鉄が酸化する際の熱を利用したもの。
一方、ハクキンカイロは、「ベンジンの気化ガスがプラチナと接触して発熱する科学原理によるもので・・・プラチナの接触作用により「炭酸ガスと水」に分解され、そのとき発生する酸化熱を応用した、環境にとても優しい、安全でクリーンなハイテクカイロ」となってます。
(ハクキンカイロホームページより)
どちらも化学反応により発生する熱であることはなんとなく分かりますが、ベンジン(燃料)を使うからといって燃やすわけではなく、ポケットに入れておいても火がつくようなことはなさそうです。
そもそもそんな危険な製品であれば、100年近くも販売されていませんよね。
製品構成
ハクキンカイロの箱の中身は、真鍮製の本体、給油カップ(ピンク色のもの)とフリース素材の専用袋、説明書が入っています。

使用方法

手順としては以下のとおり。
- 火口を外す
- 燃料(ベンジン)を注ぐ
- 逆さまにして本体中央を押さえ、余分な燃料(ベンジン)を落とす
- 火口を加熱する
- カバーをして専用の袋にいれる
本体のカバーを取ると火口が現れます。

火口を取ると白い中綿が見えます。

給油用のカップを取り付けてベンジンを注ぎます。
カップには給油の目安となるメモリ(線)が入っています。
1メモリで12時間、2メモリで24時間使用可能です(スタンダードサイズの場合)

給油カップを90度ひねると、ベンジンが中綿に染み込んでいきます。

火口を戻し、ライターなどで火口を5秒ほどあぶれば完了です。
火口に火を点けるわけではないので、見た目に熱くなっていなくても大丈夫です。
しばらくするとじんわりと温かくなり、手で触れると熱くなるので専用の袋に入れて使用します。
ハクキンカイロの温かさ
熱量は圧倒的にハクキンカイロが高く、一般的なカイロを1とした場合、約13倍の熱量となっています。
ハクキンカイロ本体は手で持てなくなるほど熱くなるため、専用の袋に入れて使用する必要があります。
専用の袋に入れると当然触れる部分の熱さは抑えられるので、表面温度は一般的なカイロと同じ45℃前後に落ち着きます。
じゃあ一般的なカイロでいいじゃないか、と言われそうですが、実際に使用してみるとハクキンカイロのほうが温かく感じるのは、芯から温かいからだと思います(火口は130~350℃)。
これは寒ければ寒いほど一般的なカイロよりも温かさが際立つと思います。

ランニングコスト
初期投資としてカイロ本体が必要なのはもちろんのこと、燃料としてのベンジンの購入が別途必要となってきます。
ハクキンカイロ指定のベンジンの使用が推奨されています。
どちらかと言うとNTベンジンのほうが臭いがあるという口コミもありました。
ハクキンカイロ指定と記載はありませんが、若干安いエビスベンジンもあります。
こちらを使用していますが全く問題ありません。
燃費はどうでしょうか。
ハクキンカイロ
ベンジン1本 500ml 約700円
500ml で12時間x40回 = 480時間 (1時間あたり1.5円)
一般的なカイロ
30個入り 約700円 持続時間20時間
20時間 x 30個 =600時間 (1時間あたり1.2円)
ハクキンカイロ本体は何十年も使えることを思えば決して高くもありませんが、1~2シーズンで1回の火口の交換(750円)が発生します。
一般的なカイロよりも若干ランニングコストが高くついてしまいますね。
(一般的なカイロとの比較)
熱量 | 持続時間 | 平均温度 | 最高温度 | 燃料 | 燃費 | 消耗品 | |
ハクキンカイロ | 13 | 約24時間 | 45℃前後 | 90℃ | ベンジン | 1.5円/時間 | 換火口、取換綿 |
一般的なカイロ | 1 | 約14~24時間 | 45℃前後 | 60℃ | 不要 | 1.2円/時間 | なし |
ハクキンカイロのここがちょっと・・・。
燃料の給油が必要
ハクキンカイロは毎回使う時間分だけのベンジンを給油する必要があります。
毎日使う場合、一般的なカイロよりも給油の手間はありますね。
ただ、一度使い始めると使い捨てとなるカイロと違って、ベンジンの量で使用時間を調整できるので無駄は少ないかと思います。
使用中はベンジンの燃焼する臭いが若干する。
屋外での利用であれば全く気になることはありませんが、職場や学校で使用する場合は気になる人は気になるかもしれません。
臭いの強さはベンジンの種類にもよるらしく、個人的には臭いはほとんど気になりません。(エビスベンジン使用)
専用の袋にアロマを落としてニオイをごまかすこともできるようです。(香水では匂いが逆にキツクなる可能性あり)
結局どうなのか
給油の手間や臭いなど、気になる人は気になるところなので、万人におすすめかといわれると正直、絶対おすすめしますとは言い難いです。
口コミでの評価も「すごく温かい!」から「そうでもない」までさまざまです。
ただ、個人的にはすごく気に入っています。
先日のキャンプで使用した際、寝袋に入って上半身が少し寒くなったのでハクキンカイロを胸元におくと温かくてポカポカしました。
この温かさは室内で触れてもありがたみは当然薄く、本体が熱い分、寒ければ寒いほど一般的なカイロよりも存在感を増すのではないかと思います。
また、見た目もグッドデザイン賞やロングライフデザイン賞を受賞しているように、所有欲を満たしてくれるものです。


このシンプルなフォルム。
どうですか、これをポケットにポンと忍ばせたくなったんじゃないですか?
自分が使い続けて、子供が大人になっても使えると思うと味があっていいですよね。
結局これもキャンプ道具沼のひとつなのかも知れませんが、興味のある方には是非おすすめしたいハクキンカイロの紹介でした。
保温時間の違いによってサイズが異なります。
保温24時間のスタンダード
保温18時間のミニ
保温30時間のジャイアントもあります。(輸出用の商標ピーコック名で販売)
公式ホームぺージでは、限定スノーホワイトの専用袋付きも販売しています。

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