【キャンプレポ】林間に響くオクラホマミキサー@海田総合公園キャンプ場

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海田キャンプ場

林間に響くオクラホマミキサー(Turkey in the Straw)とともに暗がりの中に現れた人影。

ゆっくりと近づいてきた怪しい男の正体とは。


仕事をさぼって午前中で切り上げた金曜日。

一旦会社から帰宅し車にキャンプ道具を積み込んで向かった先は、海田総合公園キャンプ場(海田キャンプ場)。

我が家から車で40分ほど、広島市中心部からなら25分ほどで到着する比較的近いキャンプ場だ。

にもかかわらず、行くのは今回が初めて。

ここは車が横付けできないためサイトへ荷物を運ぶ必要がありしんどい。

ソロキャンプは仕事帰りの金曜日の夜がメインになっていて、暗い時間に初めてのキャンプ場に行くのはコワイ。

勝手がよくわかっていて距離的にも変わらない岩倉ファームパークという安パイなキャンプ場に行きがち。

というような理由があって敬遠していた。

今回は金曜日の昼間からキャンプができるので、サイトへの荷物運びを覚悟して行ってみることに。

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B.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」を口ずさみながら意気揚々とキャンプ場に到着したのは午後3時前。

平日の昼間なのにすでに4、5組ほどのキャンパーさんがテントを張ったりダラダラしているのを見て、日本経済の先行きが不安になりながらも適当な場所を探した。

車から運ぶ荷物を極力少なくするため今夜はハンモック泊に決定。

あっという間に設営を終えてコーヒーを一杯。

海田キャンプ場

あたりには誰もいない静かな林間のサイト。

と、遠く選挙カーのスピーカーの音が聞こえてくる。

必至に政治経済について訴える選挙カー。

鼻をほじりながらハンモックに揺られているキャンパー。

なんだかダラダラしているのが申し訳ない気分になり、東京オリンピックや国際情勢について思いを巡らせたが、3分もしないうちに頭が痛くなったので少し早い夕食の準備に取りかかった。

人のキャンプ飯には興味がないかもしれないが、一応言っておくと今夜の夕食はエビをトッピングしたペペロンチーノだ。

オリーブオイルで炒めるニンニクの匂いが食欲をそそる。

海田キャンプ場

ペペロンチーノをペロリンチーノしたあと、あたりも暗くなってきたので焚き火を開始。(言い回しがオヤジですね)

周りには誰もいなかったので、小さめの音でラビリンス「Jealous」を流しながら落ち着いた雰囲気に浸る。

出会った頃のヨメとの甘酸っぱい思い出と、ヨメの尻に敷かれた現状が燃える炎の中に交互に浮かびあがり、果たしてコレは同じ人物だろうか、と思うと一筋の涙が頬をつたった。

海田キャンプ場

恋ってなんだろう。

愛ってなんだろう。

ココハドコ、ワタシハダレ

そんなことを考えていると、突然、にぎやかな曲が近づいてきた。

左肩にIKEAの大きめの青いバッグをかかえ、スマホから音楽を流しながら歩いている男性。

物思いにふけっていた雰囲気もすっかり台無しだ。

「こんばんは」

と挨拶をかわすと男性は通り過ぎていった。

海田キャンプ場

時計を見ると午後7時を回っていた。

金曜日の夜なので、仕事が終わって今から設営でもするのだろう。

それは仕方のないことだが、にぎやかな曲をかけながら歩くなんてキャンパーとしてのモラルがないのだろうか。

再び焚き火に目を向けていると、さきほどの男性がまたにぎやかな曲を流しながら近づいて来た。

(この曲は・・・・?)

オクラホマミキサー 踊ってもいいですよ」

というようなことを口走る男性。

なんなんだろう。

なんか、いやだな。

と思ったが、大人の対応をしなくてはと考え男性の話を聞くと、出張があってキャンプ場に着くのが遅くなったという。

こんな時間から設営するのも大変だろうと思い、男性の荷物を車から運び(運ばされ)、ふたたび焚き火の前に座ってチューハイを飲む。

周囲には誰もいないので、どこにでもテントを張るスペースはあるのだが、なぜか男性はすぐ隣にテントを設営し始めた。

海田キャンプ場

設営を終えるとなぜか

「一緒にそっちで食べていいですか?」

と図々しく言ってきたので仕方なく二人で焚き火を囲んだ。

海田キャンプ場

お互い本名すら知らないおっさん二人が一緒にキャンプしている。
よくよく考えるとコワイことだ。

ただ、息子を溺愛しているようなので少なくとも悪人ではないことは分かる。

1ミリも日本経済のためになるような話はしなかったが、やたらとトイレに行く回数の多い男性と身の上話をしているとあっという間に時間が過ぎ、気付くと0時30分になっていた。

海田キャンプ場
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翌朝。

目が覚めるとあの男性がこちらのテリトリーに入って、人の焚き火台を使って勝手に焚き火をしている。

海田キャンプ場

一晩一緒に過ごしただけで急に恋人にでもなったかのように、なにもかも許したとでも思っているのだろうか。

オリーブオイルを貸せだの、フライパンを貸せだのと図々しい男性は朝から餃子を焼いている。

困ったもんだなと思いながら、おもむろにターメリック、コリアンダーなどのスパイスを取り出しカレーを作った。

我ながらホテルカレー並みにおいしく仕上がった。

海田キャンプ場

今日は昼前から雨予報なので、少しずつ片付けをしながらハンモックだけを残して帰宅時間までのんびりすることにした。

男性はカメラを持ってキャンプ場内をウロウロしている。

そして時折我がテリトリーに戻ってきては餃子の焼き加減を見に来る。

いったいこの男性は何なんだろう。

海田キャンプ場

10時前。
そろそろ帰ろうかなと思っていたところで、雨がポツポツと落ちてきた。

帰ろうかなと思ったら雨が降り始めるのだから、やはり晴れ男健在なようだ。

そうして楽しいキャンプを終えて一夜を共にした男性に別れを告げ、車のエンジンをかけて家路へついたのだが、帰りの道中にあの図々しい男性が誰だったのかハッキリと分かったような気がした。

そういえば、あの男性はよく考えたらえびかにさんだったな・・

【海田総合公園キャンプ場】ソロキャンプで出会った奇妙な隣人(2) 2021/3/19~20
週末の夜 とある金曜日の夜、私は一人で車を走らせていた。 街灯もまばらな曲がりくねった山道をゆっくりと進んで行くと、目の前には少し広めの空き地が広がってきた。 着いた先は海田総合公園キャンプ場だ。 今年に入ってから仕事の忙しさも相俟って、宿

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