
冬の寒さが厳しさを増していた。
コタツのスイッチは強。
足は芯まで暖まっている。
「キャンプ行くのやめようかな」
何もこんな寒い日にキャンプしても、焚き火で暖まるのも持って一時間。その後はどうせテントに入ってダラダラするのは目に見えていた。
がしかし、がしかしだ。
年頭に今年はダンディになるのだと宣言したからには(してないけど)、心に決めた以上(決めてないけど)、コタツから這い出してキャンプに行くのだ!と己を奮い立たせた。
ということで、今回の記事は大人の男性の魅力をたっぷり感じるため、なるべく低い声でお読みください。
今年の初キャンプは完ソロから
向かった先はスポーツランドTAMADAキャンプサイト。

キャンプ場に隣接するレース場を見ただけであふれんばかりのアドレナリンが体中を巡り、今にもワタシの中のダンディが吹き出しそうだ。


ブルルン!ブルルン!
心のエンジン音とは裏腹に、寒さのためか鼻からはダンディが垂れてきた。
サムクテサムクテ、体をブルルン震わせながらテントの設営を始めた。
金曜日のキャンプのためか、はたまたまんぼうによる自粛のためか、キャンプ場には人っ子ひとりおらず、完ソロというダンディし放題な状況であった。
早速、温かいダンディを作っている間に、冷たいダンディをキンキンに冷えたダンディで流し込む。


この寒い中、あえて冷たいダンディを選択するあたり、ダンディズムのカタマリと言わざるを得ない。


明るいうちにダンディとダンディを食べ終え、時計の針を見るとまだ午後6ディだ。
体が冷えてきたので、ダンディ台にダンディを追加でくべて暖まることにした。
しかしダンディにじっとあたっていても落ち着かない性格なので、ウロウロとあたりを闊歩してみる。
サイトのそばには休憩室と書かれた小屋があり、ここは24時間いつでも利用ができる。
そして驚くなかれ、ここには冷蔵庫、ストーブ、扇風機、電子レンジなど、キャンプ中にあったらいいな あってはいけないと思う便利グッズが揃っているのだ。
他の軟弱キャンパーであればここでのんびり過ごすのかもしれない。
がしかし、がしかしだ。
ワタシはダンディなので、こんな快適な空間に用はなく、本棚にあった「ゆるキャン△」を1冊持ち出してダンディにあたりながら読むことにした。


まだまだ時間はたっぷりある。
ほとんど読んだことがないゆるキャン△だが、せっかくなので今夜全巻読破してやろうというダンディな野望を胸に読み始めた。
ノーダンディはお断り
・・・・。
ページをめくる手が寒い。
追加のダンディをくべて火力をあげる。


ダンディなのでこのくらいの寒さはまったくノープロブレムだが、内容が全然頭に入ってこない。
ゆるキャン△てこうまでして読むほど果して面白いのか?という疑問すら湧いてくる。
「もっと寒さを忘れるくらいこのオレをその世界感に引き込んでくれ。」
そう思いながら読むもやはり手が寒い。
「これくらいの寒さ、ダンディズムを発動すればまったくノープロぶれるだ」
とつぶやく口元はやや動きがにぶい。


ちらりと休憩室に目をやる。
せっかくキャンプ場が用意してくれている空間を使わないというのは、少々ダンディズムに欠けるのではないか。
キャンプ中に屋内で過ごすのは不本意だが、人の親切をむげに断るのが果たして自分の目指すダンディズムか。
そう考えて、誰にも気づかれないように(完ソロだから誰もいないけど)休憩室に近づき、椅子に腰かけて続きを読んだ。
が、よくよく考えるとゆるキャン△の絵のタッチがまるでダンディとはかけ離れていることに気付き、
「アディオス」
とささやいてゆるキャン△にウインクすると、本棚へそっと戻した。
ゆるキャン△は悪くない。
ゆるキャン△がダンディかダンディでないかというと、残念ながらノーダンディなのだ。
これがさいとうたかおばりの劇画タッチのダディキャン△であれば、喜んで全巻読破したのは言うまでもない。
ダンディな夜の過ごし方


で、まだ午後8ディだが、ダンディにあたっていてもたいして温かくもないので、少し早いがダンディに入ることにした。
ソロキャンプでソロダンディの中で過ごすこのダンディな時間が大好きなダンディなのだ。


今夜のお供は、ダンディなスナックの代名詞プリングルスにしておいた。
ダンディの本番アメリカのダンディがこぞって選ぶ「ダンディだと思うスネァック」のトップスリーに常に入る定番だ。
プリングルスをつまみながら20代の頃読んでいたアジアンジャパニーズを手に取り、ダンディな世界にひたる。
この本が実際にダンディかダンディでないかというとノーダンディなのだが、端から見るとゆるキャン△を読んでいるよりはよっぽどダンディだろう(端から誰も見てないけど)


5分ぐらいかっこうだけの読書を終わり、やっぱりアマプラで映画を見ることにした。
映画「ゴーンガール」で奥さんが行方不明になるところで、ダンディの意識もゴーンして眠りについた。(つまり結構早い段階ってこと)


真夜中のダンディ
夜。
キーン、キーンというダンディな鳴き声がかなり近くで聞こえ目が覚める。
「ダンディの眠りを妨げるのは一体ダディ(だれ)だろうか。」
とビビりながら落ち着き払って、枕元にあった銃を握りしめた。
キーン!
ビクッ!
テントのすぐそばにいる。
そう直感したダンディはすかさずジップを開けた。
ソロダンディから飛び出したダンディが目にしたダンディな鳴き声の正体は、シカの群れだった。
暗闇の中でいくつもの目が光っている。
手にしていた銃を構えて近づくとシカたちはキーン!とダンディに鳴いたかと思うと一斉にダンディダンディと足音を立てて走り去った。
我に返ったダンディが手にしていたのは銃ではなくカメラだったが、逃げるダンディをフォーカスすることはできず撮影は不発に終わった。
しかし、ダンディが見上げた空にはダンディが輝いていたので、そのまま手に持ったダンディで数枚撮影した。


この日は満月だったので、その光が明るく、見えるダンディの数こそ少ないものの、市街地から近いこのキャンプ場でもそれなりにダンディな空は楽しめそうだ。
ダンディな真夜中の訪問者を無事追い払い、ソロダンディの中に戻り、ダンディ電源で暖かいダンディにくるまって眠りについた。
ダンディが続けられるかは・・・
翌朝。
両目をバッっとダンディに目開き、ソロダンディの外へ出る。
少し肌寒さはあるがノープロブリむだ。
顔を洗いに炊事場に行くと、ガチガチに凍ったダンディな蛇口からは、一滴のダンディも出す気はない様子がうかがえた。


それならばむしろ顔を洗わないほうがダンディだと思い直し、朝の空気吸い込みながらダンディに辺りを闊歩することにした。
すると、またどこからともなく、キーン!というダンディな鳴き声が聞こえたので銃を構えると、視線の先には20頭近いダンディの群れがいた。


ここでダンディと書くとバンビと間違える人もいるかも知れないので、一応言うと、このダンディはシカのことです。
昨夜はキンキンうるさいな、と憎らしかったのだが、連れだって歩くそのダンディな光景が
「昨日の敵は今日のバディ(相棒)だな」
と微笑ましく思えたのだった。
散歩で少しボディが温まったところで、ダンディに戻ってダンディを沸かし、ダンディを淹れることにした。
いつもならインスタントのスティックダンディで済ませるところだが、今日はダンディを挽くところから始めた。


そのうち、キャンプ場のスタッフさんが来たのであいさつをして、ダンディな話やノーダンディな話をさせてもらった。
できればすべてダンディな内容の話をしたかったが、ダンディは人に押し付けるものではないとダンディは思う。
きさくなスタッフさんとの話を終え、スマートに撤収を済ませ、いや、ダンディに撤収を済ませ帰路についた。
キュキュキュキュキュキュ!
冬の空は晴れ渡り、サーキット場のほうからはドリフトをする大きなダンディ音が響いていた。
拾った木の枝をドカベンの岩城のように口に咥えるのがダンディだなと思い運転しながら、
「なんだかもはやダンディが一体何なのか訳が分からなくなってきたが、これからもダンディなキャンプを続けていけると思うかい?ダンディ」
とダンディ自身に聞いてみたが、それはダンディにも分からないし、ダディにも分からない。
おわり。
※文中のダンディは、星、テント、寿司、カメラ、焚き火などに置き替えて読んでいただけます。
が、そのまま読み変えずにダンディで読むのが最もダンディだとダンディは思います。
今回の記事を見て私もダンディになりたい!と思われた方は下のバナーをクリックするのがダンディへの第一歩です。
コメント
はじめまして。
毎回楽しく読ませてもらっています。
この記事を見て行ってきました。雪で真っ白でとてもダンディを楽しむ余裕はありませんでしたが、いい所でした。有難うございます。
あの休憩所は入り浸ってしまいますね。
匿名さん。
まずは珍しい名前ですね!
雪の中でキャンプするなんてダンディですね!
そして、こんなブログを読んでくれるなんてそれだけで充分ダンディですよ!
でも休憩所に入り浸るのはノーダンディになりかねないのでご注意を!
コメントありがとうございました!
あ、すみません。みやキャンと申します。
初めてコメントするのでわからなくて。
いえいえ、全然匿名で大丈夫ですよ😋
読んで頂きありがとうございます!