【キャンプレポ】山頂で初めてのテント泊(前編)

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広島 登山 テント

「あをによし 寧楽の京師は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり」

ああ、桜の木の下でテントを張り、ビールを飲んで世間は春を謳歌しているのに、
ワタシの足は生まれたての子鹿のように力なく言うことをきかないのでありまふ。


山登りに興味を持ち始め色々と近くの山について調べていたところ、山頂でテントを張っている記事が目に入った。

山登りをして頂上でテントを張るなんてなんだか気持ちがよさそうだ。

あまり暑くなると大変だから、涼しい春のうちに登ってみようと決め、そのための準備を始めることにした。

山頂テント泊の準備

準備と言っても、新しく購入したのはトレッキングポールのみ。

いつもの車横付けのキャンプとは違い、ザックで背負えるだけの荷物量にする必要はある。

持ち物はざっとこんな感じだ。

・ソロテント、グランドシート

・寝袋、携帯まくら

・トレッキングポール

・カメラ類(カメラ、三脚、レリーズ、レンズヒーター)

・LEDランタンと予備電池、ヘッドランプ

・スマホ、バッテリー

・着替え、タオル

・水(2リットル+ペットボトルのお茶600ml)

・ガスバーナー、ボンベ

・携帯トイレ

・食品類

テント用のマットを持って行きたかったが、キャプテンスタッグのEVAマットしか持っておらずかさばるので、底冷え対策にはとりあえずグランドシートを寝袋の下に敷くことにした。

ザックはずっと部屋に眠っていたカリマーのcougar 40-55を引っ張り出した。

かつてバックパッカーっぽいことをしていた頃から10年近く使っていなかったが、問題なく使えそうだ。

食品はフリーズドライ食とラーメン、お菓子を少し。

いずれもお湯だけで調理できるものにした。

広島 登山 テント

出発前日。

パッキングしたリュックを背負ってみると、ズシリとして重い。

(ウッ、大丈夫かな)

と、減らせる荷物を探したが不要なものが見当たらず、なんとなく体力には自信があるので(←20代のままの気分でいるヤツ)そのまま行くことにした。

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登山をなめてはいけない

4月の最初の金曜日。

曇り空ではあるが、天気予報は晴れ。

絶好の登山日和だ。

我が家から車を走らせること1時間ほど。

BBクイーンズの「踊るポンポコリン」を口ずさみながら、午後3時前に登山口に到着。

さあ登るぞ!と、ザックを担いだ瞬間、腕時計のベルトがちぎれて落ちた・・・。

なんだか縁起が悪いな、と思ったもののさほど気にもせず時計をザックに納めた。

(今思うと何かを暗示していたような気もする)

平均的な登頂時間を調べたところ、トレーニングで登る人は1時間以内、ゆっくり登って2時間くらいで登れるらしい。

まあ荷物も重いしゆっくり2時間コースで夕方5時くらいに山頂に立てればいいかな、と考え登り始めた。

登山口から整備された階段を数十段あがると、

広島 登山 テント

岩のゴロゴロした足場の悪い坂道が続く。

広島 登山 テント

急登 → なだらかな登り → 急登 であればまだいいのだが、

急登 → 急登 → 急登 がひたすら続く。

わずか10分足らずでヒーヒー言いながらゆっくりと足を進めていたところで、前方にお地蔵さんが見えた。

YAMA
YAMA

そういえば、一合目ごとにお地蔵さんがいるってネットに書いてあったな。

もしかして何個かお地蔵さんを見逃していたかもしれないし、もう三合目くらいかな。

と、お地蔵さんにたどり着くいて木に掛かる文字を見ると

広島 登山 テント

・・・・え? 今、やっと一合目?

残り九合?

あせるYAMA
あせるYAMA

コレ、マジデヤバイナ

一合目を過ぎたばかりなのに一旦心が折れ、荷物を下ろす。

広島 登山 テント

足腰はまだいけそうだけど、これは肩が痛いぞ・・・。

出発前にザックの重さが気になってはいたが、負荷がかなり大きい。

帰宅後にザックを図ったところ、15kgほどあった。

実際には2.6Lの水が減っているので、17kg近い重さがあったことになる。

一泊二日のテント泊であれば、大体15kg前後か、軽量できれば10kgは切るようだ。

テントも寝袋も軽いほうではないので、この際ヨメには山で無くしたと言って、新しいものを買ってやろうか、とイケナイ事ばかり頭に浮かぶ。

そして重いのはカメラだ。

カメラ本体とレンズ2本、三脚その他で2キロ近くはあるだろう。

コンデジなら数百グラムで済むし、スペースを取らないのだが、せっかくの登山なので夜は星空でも撮りたい。

重いけれど外すことができない荷物だ。

今さら荷物を減らすこともできないし、ここであっさりとあきらめるわけにはいかないので、とりあえず前に進むしかない。

その後も登りが続く。

なんかさっきからずーーーっと登りだけど、山登りってこういうのじゃないのか?

広島 登山 テント

ヤッホーッ!と叫んだり、

気持ちのいい山の空気を鼻いっぱいに吸い込んで鼻毛をソヨソヨさせる感じじゃないのか・・・。

次のお地蔵さんはまだかいな。

と息を切らしながら登るとようやく見えてきた。

もしかして、一合目ごとにお地蔵さんがいるわけではなくて、一つ飛びで三合目だったりするんじゃないかな。

という希望もむなしく。

広島 登山 テント

死んだ目でお地蔵さんをにらむ・・・。

山頂が途方もなく先のような気がする。

重い体。

間違いなくこの先地獄を見ることになるぞ・・・。

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見えない終わりに心がくじけそう

さらに登ると次のお地蔵さんが見つかったと思ったら、全然関係ない観音様でガッカリしたり。

コラコラッ!
コラコラッ!

喜んで損した。まぎらわしいな、もー!!

広島 登山 テント

疲労感いっぱいで三合目に到着。

広島 登山 テント

これは本当に2時間で登れるのだろうか。

焦る気持ちもあるが、ペースをあげることもできない。

1,2分立ち止まって休んでは登ることを繰り返す。

やがて、前方の山道におじいさんが一人見えた。

おじいさんは山道に横たわって道をふさいでいる木をのこぎりで切っていた。

YAMA
YAMA

こんにちは。この先もずっとこんな感じですか?

おじいさん
おじいさん

ずっと登り。この先が4合目でまだ半分くらいだね。

後悔する
後悔する

あああ、聞かなければよかった・・・

その後も続く登り、登り、登り。

広島 登山 テント
広島 登山 テント

ようやく5合目に到達した。

標高538メートル

広島 登山 テント

そう、この山は頂上で約900メートルほどの山なのだ。

信州方面の1000m、2000m級の山を登っているわけではない。

それなのにこんなにも過酷とは・・・。

テント泊のために山に登るのは、予想の何倍もツライということを初めて知った。

痛感する
痛感する

山をなめてはいけない。

トボトボと六合目を過ぎ七合目。

広島 登山 テント

確か七合目と八合目の間に水場があるはずだ。

そんな癒しのスポットが近づいていると思うと力が湧いてきて、痛かった肩も足腰もなんだか軽くなった気がする。

ドラクエ式にレベルが上がったのか、はたまたこれがランナーズハイ、クライマーズハイの状態なのだろうか。

そして、前方の長い坂を登りきると・・・・。

広島 登山 テント

水場に到着。

広島 登山 テント

誰もいないのをいいことに、パンツ一丁になり全身をリフレッシュ。

(水場にドボンしてはいませんのであしからず。)

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残る力を振り絞って

残る八,九合目、そして頂上を目指すのだが、ここからが最後の地獄だった。

広島 登山 テント

持っていた600mlの水がほとんど底をつき、両足が釣りはじめる。

水場の水は水槽(?)に貯めている水なので飲んではいない。

別の場所に湧き水があるらしいのだが、回り道をする余裕はなかった。

広島 登山 テント

クライマーズハイ状態もなくなり、20mほど進んで休むという状況。

トレッキングポールがなければ釣った足を上げるのも一苦労だったはずだ。

落ち着け!
落ち着け!

今、動けなくなったらヤバイぞ。休みながら少しずつ登るしかない!

さてここで、

あなたの考え得る最大級の男臭と汗にまみれてフラフラになっている中年のオッサンを想像してほしい。

それが、この時のボクです

そんな状態のおっさんが膝ガクガク、ヒーヒーと言いながら登っているのだ。

ああ、桜の木の下でテントを張り、ビールを飲んで世間は春を謳歌しているのに、

もう限界
もう限界

ワタシの足は生まれたての子鹿のように力なく言うことをきかないのでありまふ。

九合目に到着。

広島 登山 テント

迫る夕暮れに焦りながらも、もはや10歩進んでは釣る足を休めなければいけない状態。

最後の最後まで角度のある登りが小鹿を苦しめる。

広島 登山 テント

2時間前の登山口の自分に教えてやりたい。

両足釣ってます
両足釣ってます

そこは地獄の入り口や~、地獄やで~!

広島 登山 テント

そしてついに、前方の木が開けて空が見える!

あと20段くらいで頂上なのはわかっているのに、足が思うように上がらず一歩ずつ。

頑張れ!
頑張れ!

ぬおおおおおおおおおお!!!!

次回

汗と体臭にまみれ、苦悶の表情で一般的にはそこまで高くないのにすごいことに挑戦しているかのように山を必死に登る男のドキュメンタリーついに完結。

はたして男は頂きに立つことはできたのだろうか・・・。

【キャンプレポ】山頂で初めてのテント泊(後編)
残りHP3。ギリギリの状態で頂上に立ったあと待ち受けていたのはキレイな星空。

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