
翌日仕事のある平日のキャンプって可能なのだろうか。
これまで金曜日のソロキャンプは何度もやってきた。
というのも家族サービス優先のため、土日にソロキャンプするなんてもってのほか!という我が家の掟があるからだ。

家族サービスってなんだよ。
なぜオヤジがいつもサービスする側なんだよ。
なんて言えたら世界はどんなに輝いて見えるだろうか。
しかし残念ながら我が家はオヤジの言論の自由が一部制限されている。
初めての木曜日キャンプ
で、今回は初の木曜日の夜キャンプだ。
翌日は金曜日なので朝から仕事だ。
仕事終わりにキャンプ場へ直行し、翌朝は早起きしてキャンプ場を出発しなければならない。
スケジュールはこんな感じ。
18:28 キャンプ場到着
18:34 設営場所決定。設営前にトイレ
19:02 設営完了
19:15 夕食
20:45 アルコールが回って、二度目のトイレ
21:08 靴下を焚き火に向けて「あったか~」と言う
21:22 おやつタイム
22:30 歯磨き、おやすみ前のトイレ
22:41 就寝
・
02:20 寝返りをうつ
(夜間 必要に応じてトイレ)
・
05:45 目覚ましアラーム ピピピ
05:58 「ああ、もう6時だ」と言って起きる
06:03 洗顔、トイレ
06:55 朝食を食べつつ撤収完了
07:04 「まずい!!7時過ぎてる」と言いながらキャンプ場をあとにする
分刻みのスケジュールが、いかにも働く男のソロキャンプという感じだ。
で、キャンプ場へ着いたのは予定通り18:28。
最近は平日でもそれなりにキャンプしている人がいると聞いていたが、さすがに11月で寒くなってきたからか人もまばらだ。
他人のテントを使えば設営・撤収が省ける
どこに設営しようかと見渡したところ、キャンプ場の端っこに1張りのDODのエイテントが見えた。

テントの設営・撤収はスケジュールに大きく影響するため、あわよくばテントを張らずにエイテントで眠らせてもらえないだろうかと思い付いた。
エイテントなのでファミリーキャンプかと思いきや、どうやらソロキャンパーさんのようだ。
声をかけてみると、幸いというか残念ながらというか女子ソロキャンパーではなく、オッサンキャンパーだった。
初めてのソロキャンプに来たというオッサンキャンパーさんは一人が寂しいようで、意外にも泊めてくれというコチラの申し出を受け入れてくれた。
エイテントの中にはストーブも完備されているらしい。
厳しい環境を好むストイックなワタクシのキャンプスタイルと反するものの、テントの設営撤収時間が不要になる!と考えて泊めさせてもらうことにした。
雑談もそこそこにオッサンキャンパーさんは、まばゆいばかりのLEDライトを煌々とつけて、時折スマホに向かって一人で何やら話をしている。
電話をしているのかと思ったが、どうやらひとり言のようだ。
のちのち分かったのだが、どうもヨウツーバーさんらしく終始動画を撮っていたようだ。
オッサンキャンパーと言うのも長いので便宜上、短縮してオッパーと呼ぶことにする。
ディナーと焚き火
オッパーを横目に、お水がいらないチャンポンとえびピラフのカロリー控えめご飯。
ストイックなワタクシはいつでも腹八分目だ。

オッパーはその後も肉を焼きながらスマホに向かってひとり言を話したり、焚き火に火を付けながらスマホに向かってひとり言を話している。
そんなひとり言を話しているオッサンを、450gのえびピラフを食べながら黙ってもう一人のオッサンが眺めているというシュールな時間が流れた。

食事を終えると他人の焚き火台に足を投げ出し、
21:08 靴下を焚き火に向けて「あったか~」と言う
をこなす。

寒いこの時期、焚き火は最高なのだが、適度な距離を取らないと靴下が焼けるように熱い・・・。
これはワタシくらいの脱初心者キャンパーでないと難しいので真似するのはやめておいたほうがいい。
無事に靴下を焚き火に向けて「あったか~」と言うをクリアしたところでおやつタイム。
ストイックなワタシはお気に入りのオーザックを封印し、カールチーズあじで我慢した。
不覚にもカールおじさんに「相変わらずおいしいね」とつぶやいたが、スケジュールに大きな影響はなかった。

ど平日のキャンプだが、ここまでは順調だ。
※この接頭語の「ど」は、「ど真ん中」「どストライク」「ど素人」「ど田舎」「ど根性」「ど助平」に使われる「中心、中央、真の、まさに」を意味する「ど」です。
キャンプにもストイックなワタクシは、平日のど真ん中でも仕事の合間をぬってキャンプに来ているのだ~!という私的な新境地にゾクゾクしていたら5分ほどスケジュールをオーバーしていることに気付き、我に返る。
焦っていると、スマホと会話していたオッパーが、
「サムネイル用に写真を撮れ。顔は分からないように撮れ」
とこちらを向いて言うので、何のことか意味がよくわからなかったが、写真を数枚撮って差し上げた。

不本意ながらアッタカヌクヌク
その後、オッパーがスマホを焚き火に向けて
「それではおやすみなさい」
とひとり言を言ったのをきっかけに就寝。(ワタシに向かって言ったのではない)

しかし、すぐに寝られるわけではなく、この日はやる事がある。
厳しい環境を好むストイックなワタクシのキャンプスタイルと反するものの、先日「防災用として」購入したポータブル電源の能力を確認する必要があった。
これまではキャンプで電気を使うことにある種の抵抗感があった。
気分としては「101回目のプロポーズ」の浅野温子、すなわち
「…好きになって、あなたのことがとても好きになって。…でも、こわいの。私、こわいの。ねえ、こわいの。」
と同じような気持ちで、
ポタ電のことが好きになって電気の便利さに慣れちゃう自分がこわいの~~!
一方で、
「ボクは死にましぇーん!ボクは死にましぇーん!ポタ電の事が好きだから。これからはどんなに寒くたってボクは死にましぇーん!」
という無敵状態に突入してしまうのではないだろうか、寝袋にくるまって寒い夜を乗り切るキャンプの醍醐味が薄れるのではないか、と危惧しているのだ。
(この辺りのセリフにピンとこない方は「101回目…」で武田鉄矢がトラックに引かれそうになる第6話をご覧下さい)
ともかく、この夜は不本意ながらぬくぬくの電気毛布で朝まで安心おやすみマンだった。

予定通りの寝返りもうち、5:58 「ああ、もう6時だ」と言いながら朝を迎えた。
早起きして仕事へ

テントの撤収がないので多少スケジュールに余裕があり、肉まんを蒸してコーヒをいただく。
オッパーも物欲しそうに肉まんを見ていたので、ひとつ分け与えるとムシャムシャと食べた。
テントに泊めてもらったお礼だ。

その後、寝袋とチェアなどを片付けるだけで撤収が完了。
今回は受付時間の終了後に設営し、受付開始前に帰宅しなければならないという過密スケジュールだったので、チェックイン・アウトの手続きをすることができず料金はポストに入れた。
SNSやネット上であらぬ疑いを掛けられる昨今なので、ちゃんとお金は払いましたよアピールを忘れてはいけない。

7:04 「まずい、7時過ぎてる!」
と言いながらキャンプ場をあとにした。
テントも焚き火台も人のものを使う、という準グランピングなキャンプだったが、ど平日でもキャンプは可能であった。
そして・・・
帰り道、あのオッサンキャンパーはどこかで見たことあるなと考えていたが、もしかしてオッパー(※)だったのではないかと思えた。
※オッパー・・・韓国語でお兄さん (正確には妹から見たお兄さん)
おわり。
以前のオッパーとのキャンプはコチラ

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